No.12 貯蔵籾の品質事故防止のための最も大切な事は穀温を低下させることです‼
・・・・・穀温記録をグラフ化することで、その変化がよくわかります。・・・・・

 滋賀県産米の10月18日現在(全農検査課)、『令和3年産米水稲うるち玄米』の検査1等比率は80.8%(前年同期70.8%)で、昨年産米に比べ1等比率が増加しています。
 これは、本年産米の早生品種の「みずかがみ」が未熟粒の混入もなく品質良好であり、「コシヒカリ、キヌヒカリ」は8月中旬から大雨・曇天に会い近年にない低温寡照が長期間続き、乳白等の混入が懸念されたものの、平年並みの状況であったためですが、中生品種についても、品質は平年並みですが収量が不良となっています。
 又、2等以下に格付けされた主な理由は、形質(心白及び腹白、充実度不足)、整粒不足、被害粒(胴割粒)、着色粒(カメ虫等)、異種穀粒によるものです。
 このような品質状況の中、各施設では出荷時期を迎え、荷受籾の品質にも左右されますが、良品質米の出荷を目指して最大限のご努力をお願いし、また、貯蔵中の籾について、常時穀温を把握し、穀温の上昇傾向が見られたら、速やかにローテーション等を行い、穀温の事故が発生しないよう下記事項に留意し施設稼働をお願いします。

1.精選作業について

 サイロに貯蔵保管する籾は、全量精選を実施されていると思いますが、精選籾に比べ未熟粒等は水分が高い事が多く、これらが混入していると貯蔵中に精選籾の水分に影響を与えかねません。長期貯蔵の前には、必ず精選を実施して下さい。

2.貯蔵中の穀温管理について

 穀温記録をグラフ化することで、その変化がよくわかります。基本的には、冬場に向かって外気温とともにゆっくりと低下するのが正常ですが、仮に上昇するようなことがあれば、わずかであっても「異常の兆し」と受け取るべきです。また、それ以外の目的でも、穀温を監視し「グラフ化」することが大切です。平均外気温と穀温の差が5℃を超えれば要注意で、10℃を超えれば直ちにローテーションを行わないと結露の危険がありますので、是非、穀温管理の「グラフ化」を行って下さい。

3.結露防止について

 外気温と穀温を毎日定時に測定し、穀温の上昇傾向が見られたら、結露の発生の有無を確認して、速やかな対応をお願いします。

注:サイロ内の貯蔵量(保管量)が少ないと、上部空間が大きいため、より外気温の影響を受けやすく、結露が発生しやすくなることから、特に注意をお願いします。

4.施設内外の整理・整頓・清掃について

 米・麦は食品です。これを取り扱っている施設は、「食品工場」となります。
 CEで大変な苦労をして品質向上に取組み、どんな良い米麦を出荷しても、施設内外の環境美化を良くしないと、出荷米麦のイメージが悪くなります。
 また、日々の整理・整頓・清掃は、害虫の発生防止やネズミ被害の予防にもなりますので「環境美化」に努めるようお願いします。