No.8 計画的な操業と適切な運営·管理で「品質事故防止を」‼
・・・・・貯蔵籾の穀温管理は細心の注意と各種帳簿類の記帳を確実に・・・・・

 カントリーエレベーターにおける米の品質事故は、過剰荷受けや高穀温・高水分のままの半乾貯蔵穀温管理の形骸化、必要なローテーションを怠る等、基本ルールを守らなかったことにより発生した事例が多くCEの安全操業には乾燥能力に応じた計画的な荷受け、各作業工程における基本操作の遵守が欠かせません。そのため、施設運営をオペレーター等現場作業者に任せきりにするのではなく、経営者や施設管理者、利用組合等も含めた三者が一丸となって進めることが重要です。
 年間を通して食味や品質が均質な米を安定的に供給することを求めている実需者のニーズや、収穫したときの品質を保って販売して欲しいという生産者の希望に応えるために、品質事故の防止はCEの責務といえます。そのような中で、農林水産省による衛生管理の指導が強化され(令和元年12月に滋賀県中央会、全農滋賀県本部連名で衛生管理の徹底について依頼されている)、補助事業で米穀保管施設を新規に整備する際の要件、農産物検査の検査場として業務を行う際の要件として既存施設の環境が衛生的に保たれている事が必須となります。また、食品衛生法が改正され、CEでは自主的な衛生管理が求められる事になり、5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)の徹底を一層図り、品質事故防止に取り組み今後は貯蔵(保菅)籾の適切な管理の段階に入り、サイロの中は外から見えませんので穀温測定が唯一頼みの綱です。
外気温度・サイロ内の上部空間の気温等併せて把握し、品質保持について、下記事項に留意して、今後の施設稼働をお願いいたします。

1.貯蔵籾の品質保持について

① 貯蔵穀温が20℃以上のときは、籾の品質劣化が早くなることから、出来るだけ早期に20℃以下になるようにして下さい。また、ローテーションの時には、サンプルの採取を行い異臭等、品質の確認を行って下さい。

② 外気温との温度差が大きいと結露が発生しますので、ローテーションを行って、穀温を外気温に近づけて下さい。

③ 穀温の上昇は品質事故の兆候が出ておりますので、ローテーションは秋から冬、冬から春、春から初夏の外気温変化に合わせて行って下さい。

※ローテーションを行う場合は、必ず、サイロ替えを行い芯抜きは行わないこと。

2.精選の実施について

 未精選籾は、未熟粒が多く、微生物が繁殖しやすく、貯蔵性が劣りますので、仕上げ乾燥が終わった籾は、精選を行い健全籾の状態で貯蔵して下さい。
 同時に計量・サンプル抽出工程を精選作業と併せて行い、貯蔵籾の重量・品質を把握するようにお願いします。

3.良品質米の出荷について

 本年産米は、早い梅雨明けと高温傾向で生育が心配されましたが、8月中旬までの好天で順調に生育し、平年並みの収穫開始となりました。今後は台風や長雨による影響が発生しないか懸念され、倒伏している圃場からの荷受けも予測されます。
 各施設において丁寧な精選や適切な網目の使用により、未熟粒及び被害粒の混入を減らし、良品質米に仕上げるようご努力をお願いします。
 なお、色彩選別機が設置されている施設では、被害粒及び未熟粒等の除去に最大限の活用をお願いします。
※ 近年、販売先からクレームとして、着色粒(カメ虫)混入、異種穀粒混入、胴割粒混入等が多く寄せられております。また、粒度等をはじめとした品質の地域差縮小の統一的取組みが期待されておりますので細心の注意を払って施設調製をお願いします。