県農技センターの麦類作況調査では、4月中旬における11月5日播の「農林61号」は、平年(過去10年間)に比べ、茎数はやや少なく(「ふくさやか」はやや多い)、草丈は平年より長く(「ふくさやか」も長い)、葉数はやや多くなっている(「ふくさやか」は平年並み)生育情報が発表されています。
本年の成熟期は、5月11日時点では、「平年より約5日早く、昨年より1~2日早い」と予測されていますが、今後の気温が平年より高くなると成熟期はさらに早まるので、収穫作業が遅れないようご指導をお願いします。
なお、適期収穫を行うには子実水分が30%以下(ビール麦は水分25%以下)になる時期で、小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後に行うよう併せてご指導をお願いします。
また、県病害虫防除所によりますと、4月21日時点での麦類の赤かび病発生は、平年並または多いと予報されておりますので、今後の予察情報に注意し、各ほ場の観察を十分に行い、適切な防除等および施設搬入時には、チェツク体制を整え仕分けをお願いします。
下記事項にご留意願い、早刈り・刈り遅れで産麦の品質の低下を来さないようご指導をお願いします。
① ほ場調査で、本年産麦の作柄状況を把握し、ほ場段階で明らかに仕分け処理をする必要があるほ場については、事前に農家、集落代表者に連絡を取り、確実な仕分けを行って下さい。
② 仕分け基準を、ほ場調査担当者に徹底しておいて下さい。
注:カラスノエンドウ・ヤエムグラ等の種子が施設に搬入されると調整段階での選別が非常に難しいので、収穫期までに抜き取りをされるようご指導をお願いします。
麦の収穫期は、高温・多湿の気象条件の中での作業となり、長時間放置すると麦の呼吸作業による発熱、カビの着生による醗酵熱等により「ムレ」を起こし、異臭麦・熱損粒等が発生して著しく品質が劣化しますので、収穫麦はなるべく早く施設へ搬入し、収穫後4時間以内に乾燥作業に入り、可能な限り半乾作業は実施しないで仕上げ乾燥まで連続して行って下さい。
※異臭麦の原因:穀物に着生するカビ・バクテリアなどの微生物は、数百種類におよぶと言われており、異臭麦の事故は、これらのカビ・バクテリアが異常繁殖し、着色、不快臭、汚染などの変質をおこしたものです。
・荷受け前のチェックポイントは、❶発熱していないか ❷異臭はないか ❸穂発芽粒はないか ❹着色粒(赤カビ・黒カビに注意)はないか等です。
・仕分けした麦を別処理するビン・施設等の対応策を決めておく必要があります。
・県病害虫防除所の赤カビ病防除情報第1号では、平年並および多い見込みとなっています。
今後の降雨状況で多発が予想される場合には、追加防除等を行うようご指導を願い、仮に施設に入った場合には、良麦が汚染しても農業倉庫基金の保障対象にはなりませんので、くれぐれも気をつけて下さい。
平成27年産大麦・はだか麦の収穫時期が目前に迫っており、荷受け準備に大変お忙しいことと思いますが、本年度も例年と同様に麦類の施設搬入時の巡回を各関係機関協力のもと、大麦・裸麦対象に6月上旬に、また小麦対象に6月中旬にかけて実施するよう計画をしておりますので、各施設のオペレーターの方々には荷受け等で大変お忙しい中とは思いますが、巡回時にはご協力をよろしくお願いします。