県農技センターの麦類作況調査(4月14日時点)によると、11月4日播の「農林61号」、「ふくさやか」ともに平年(過去10年間)に比べて、茎数は少なく、草丈はやや短い。生育の早晩について、1月中旬~2月は低温傾向であったが、4月以降の気温がやや高く推移したことから、小麦の出穂期および開花期は概ね平年並であることから、今後の気温が平年より高くなると成熟期はさらに早まるので収穫作業が遅れないようご指導をお願いします。
なお、適期収穫を行うには子実水分が30%以下(ビール麦は水分25%以下)になる時期で、小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後に行うよう併せてご指導をお願いします。
また、県病害虫防除所によりますと、麦類の赤かび病の発生は、「平年並」と予報されておりますが、今後の予察情報に注意し、各ほ場の観察を十分に行い、適切な防除等及び施設搬入時には、チェック体制を整え仕分けをお願いします。
下記事項にご留意願い、早刈り・刈り遅れで産麦の品質の低下を来さないようご指導をお願いします。
記
① ほ場調査で、本年産麦の作柄状況を把握して下さい。ほ場段階で明らかに仕分け処理をする必要があるほ場については、事前に農家、集落代表者に連絡を取り、確実な仕分けを行って下さい。
② 仕分け基準を、ほ場調査担当者に徹底しておいて下さい。
注:カラスノエンドウ・ヤエムグラの種子が施設に搬入されると調製段階での選別が非常に難しいので、収穫期までに抜き取りをされるようご指導をお願いします。
① 収穫適期水分は、一般の麦が30%以下、ビール大麦は25%以下です。
② 水分の高い麦をコンバインにより高速回転で収穫すると、損傷粒が発生して品質が低下し、また、品質事故の恐れもありますので、収穫時の水分、コンバインのこぎ胴の回転速度には十分注意されるようご指導をお願いします。
麦の収穫期は、高温・多湿の気象条件の中での作業となり、長時間放置すると麦の呼吸作業による発熱、カビの着生による醗酵熱等により「ムレ」を起こし、異臭麦・熱損粒等が発生して著しく品質が劣化しますので、収穫麦はなるべく早く施設へ搬入し、収穫後4時間以内に乾燥作業に入り、可能な限り半乾作業は実施しないで仕上げ乾燥まで連続して行って下さい。
○ 荷受け前のチェックポイントは、❶発熱していないか ❷異臭はないか ❸穂発芽粒はないか❹着色粒(赤カビ・黒カビに注意)はないか等です。
○ 仕分けした麦を別処理するビン・施設等の対応策を決めておく必要があります。
○ 県病害虫防除所の発生予報第2号では、赤カビ病の発生時期、発生量ともに平年並と発表されております。今後の降雨状況で多発が予想される場合には、追加防除等を行うようご指導を願い、仮に施設に入った場合には、良麦が汚染しても農業倉庫基金の補償対象にはなりませんので、くれぐれも気をつけて下さい。
平成29年産大麦・はだか麦の収穫が始っており、荷受け等で大変お忙しいことと存じますが、本年度も例年と同様に麦類の施設搬入時の巡回を各関係機関協力のもと、大麦・裸麦対象に6月7日に、また小麦対象に6月中旬~下旬にかけて実施するよう計画をしておりますので、各施設のオペレーターの方々には荷受け等で大変お忙しいとは存じますが、巡回時にはご協力をよろしくお願いします。