No.3 品質事故の発生は適正作業で未然に防止を‼
・・・・・早刈り、刈り遅れは品質を低下させることから適期収穫を・・・・・

 麦の刈取適期は、子実水分30%以下になる時期で、小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後に行い、ビール麦では発芽勢を確保するため子実水分25%以下で収穫をお願いします。
 県農業技術振興センター麦生育情報(№6)では、出穂期は平年より早まったが、4月の気温が低かったことから開花までの日数は平年より長く、5月に入り気温は高いが、日照時間が少なく、登熟はゆっくり進んでいることから、5月14日時点の本年の成熟期予測は5月14日以降の日平均気温が平年並みの場合で「農林61号」では6月8日、「ふくさやか」は6月5日となっており、両品種とも平年より4日、昨年より3~4日程度遅いとなっています。
 よって梅雨の合間を縫っての刈り取り作業となる場合は、立毛の状態でこまめに子実水分を測定するなど、ほ場の観察を十分に行い、ほ場ごとの作業計画を綿密にたて、刈り遅れないよう注意してください。
 ただし、気象情報によりますと、向こう1か月平均気温は高温に経過すると予想されていることから、登熟の進みや子実水分に注意し、収穫作業が遅れないよう、準備は怠りなく整えておいて下さい。
 現在、水稲の育苗苗出荷等で、大変お忙しい時期ではありますが、良品質麦が生産されますよう下記事項にご留意の上、対応をお願いします。

麦の荷受け·乾燥·貯蔵作業の留意点 (全国CE協議会「CE情報」№148より)

1.荷受時の留意点

(1) 荷受時
ア)基本的には以下の点をチェックしてください。

①発熱の有無→手で触って熱くないか?

②発酵·異臭→発酵·腐敗臭はないか?

③穂発芽粒→目視でチェック

④着色粒→赤カビ粒をチェック

⑤水分→麦の収穫期は高温·多雨期であり、高水分麦の搬入も多くあると考えられます。荷受け時の水分仕分は、指導では2%刻みが基本ですが、仕分容器、乾燥機の基数・能力等から4~5%刻みで区分して受けるのが現実的と言えます。しかし、このようなきざみで区分することが困難な場合は最低でも水分の比較的低いものと高いものに2区分して乾燥を行ってください。

2.乾燥時の留意点

(1) 乾燥温度と水分

 小麦の加工適性上の品質と乾燥の関係では、加工上の品質が低下し始める前に、発芽率が低下する傾向が認められています。このため、高い発芽率が確保できる乾燥条件を設定します。
 即ち、発芽率低下を5%程度許容するとして、乾燥開始時の水分と送風温度との関係を示すと概ね次のとおりです。①水分40%以上:40℃以下、②水分30~40%:45℃以下、③水分25~30%:50℃以下、④水分20~25%:60℃以下。水分が20%を下回れば60℃をこえても支障がないとされていますが、穀温は40℃程度に留めるべきです。(※送風温度と穀温は異なります)

(2) 半乾燥貯留時

 麦の乾燥時期は外気の温湿度が高いため、半乾貯留を行わず速やかに仕上げ乾燥するように努めます。荷受けの関係で半乾貯留を行う場合は、必ず17%以下にします。荷受時に荷口ごとの水分差が5%以上あるものが混合されている場合は、安全のため15%以下にします。また、籾に比べて熱風温度を高く設定することが多いため、穀温も高い状態になっていますので、外気温度が高めでも必ず冷却パスを行ってからサイロに入れます。半乾貯留日数は3日以内と考え、乾燥機が空き次第少しでも水分を下げるよう努力してください。

令和2年度 麦のカントリーエレベーター
品質事故防止強化月間の取り組みについて
(令和2年5月1日~8月31日までの4カ月間)

「麦のCE品質事故防止強化月間」のポスターを作成し、取り組みの周知を行う。
「農業倉庫CEと防災」等の情報誌を利用して、品質事故防止、自主的衛生管理の実行を図る。