No.1 CEの管理者は、現場が春先の保管管理が徹底されているか気配りを‼

 CEの品質事故は毎年発生しています。品質事故が発生する原因は多々ありますが、近年最も多いのは半乾貯留時の事故とサイロ貯蔵中の事故です。貯蔵時の主な事故原因は結露の発生です。
 サイロに貯蔵した籾の穀温はどうなっていますか。結露水によって濡れた籾が春先の温度上昇にともなって変質するためで、品質事故の原因は今起きているのです。昨年中にローテーションを行っていても、外気温がまだ比較的高い時期に行ったものであれば注意が必要です。
 以下、この時期におけるサイロ貯蔵の留意点を列記しますので、十分な管理をお願いします。

1.サイロ穀温と外気温度との差をチェック

 午前8時から10時頃の外気温との差が10℃を超えていないかをチェックし、超えていれば速やかにローテーションを実施して下さい。 「既にローテーションを行ったから」と安心していてはいけません。外気温度がまだ高かった秋に行ったローテーションでは、籾は完全に冷えていない可能性があり、再度「サイロ内籾の穀温チェック、および穀温と外気温度との差」の確認を行い、もし前日、前々日に比べて1℃も上昇していれば、即ローテーションの実施をお願いします。特に穀温管理は毎日定時に穀温測定を行い、サイロ保管管理日誌に記録し、 「グラフ化」して管理を行って下さい。

2.出庫前の結露確認について

 籾摺り前には、先ずサイロ内の結露確認を行って下さい。
 酸素欠乏危険作業主任者の指示にもとづき、サイロ内に結露が発生していないか確認を行い、もしも結露が発生していた場合は、品質劣化籾と正常籾との混合を避けるための措置を行って下さい。(排出作業はロープ、バケツ方式等で)

3.これからの籾管理と出庫について

 4月以降に出庫予定の籾の管理は、出庫予定の籾を一旦別容器(別のサイロやDSビン又はタンク)に移し替え、外気の温湿度に馴染ませ、少なくとも5時間以上放置した後に籾摺りを開始して下さい。
 外気温度とサイロ内籾の穀温との差が、3~4℃以内であれば結露の心配はないことになりますが、それ以上の差がある籾を出庫する場合は上記操作が必要です。

平成30年産(29年播)麦の生育情報
(県農技センター 「麦の生育情報№3・№4」より)

①気温・降水量経過

○ 気温について、2月上旬はかなり低かったが、中旬・下旬は平年並だった。3月に入ると上・中旬は高く推移した。日照時間は全体的にやや多いから多くで推移し、降水量は、2月上旬は平年並であったが、中・下旬はかなり少なく、3月上旬は多く、中旬は平年並であった。

②生育情報

○ 県農技センター麦類作況調査では、3月中旬における11月6日播きの「農林61号」、「ふくさやか」ともに平年に比べて草丈はかなり短く、葉数は少ないものの、茎数は多くなっている。

③県内の状況

○ 2月上旬までは、気温が低く経過したため、平年より生育量は小さかったがそれ以降は全般に気温は平年並~高く、日照時間は多く経過したため、生育は平年並近くにまで回復している。

○ 11月上旬播種と中旬以降に播種されたほ場では生育量の差が大きく、特に県北部の播種が遅かったほ場では、茎数が少なく、生育量が不足している。

④赤カビ病防除

○ 県病害虫防除所から「平成30年病害虫発生予報第1号」で、麦の「赤かび病」発生予報が発表されました。小麦および六条大麦では開花始め~開花期に、二条大麦では穂揃い10日後頃に防除を実施する。防除後も降雨が続くなど多発が予想される場合は1週間後に追加防除を行う。

⑤排水対策

○ 溝に水がたまる場合は、溝さらえを行い、速やかに排水対策を講ずる。

○ 特に積雪の多かった地域では、融雪水の排水に努める。

⑥小麦の実肥

○ 小麦の実肥は、開花期(出穂10日後)に窒素成分で3~4㎏/10aを施用する。

○ 3月中旬時点で11月上旬播種の「農林61号」の実肥施用適期は4月末日と予測しているが、地域により生育に大きな差があるので、今後の栽培管理の判断は、生育状況を見て対応する。