No.4 麦の適期刈り取りと速やかな施設搬入を‼
・・・・・麦の作柄状況把握を行い、特に「赤カビ病」等の被害調査は丁寧に・・・・・

 県農技センターの麦類作況調査(11月5日播種)では、「農林61号」は、平年に比べ茎数はやや少なく草丈は長い。「ふくさやかは」は茎数は平年並みで、草丈は平年より長い。「びわほなみ」は平年に比べ茎数は少なく、草丈はやや短い(4月15日現在)。開花期は平年に比べ「農林61号」で6日、「ふくさやか」で10日、「びわほなみ」で8日早かった。出穂期、開花期までは早まっていた生育が5月の低温でやや停滞しているが、向こう一ヶ月の平均気温は高温に経過すると予想されており、また、本年は記録的な速さで梅雨入りしたので、登熟の進みや子実水分に注意し、収穫作業が遅れないよう準備を整えておく。
 収穫適期は小麦では成熟期から2~4日後、大麦では1~3日後頃になると見込まれる。
 また、県病害虫防除所によりますと、麦類の赤かび病の発生は、「平年並」と予報されておりますが、今後の予察情報に注意し、各ほ場の観察を十分に行い、適切な防除等及び施設搬入時には、チェック体制を整え仕分けをお願いします。
 下記事項にご留意願い、早刈り・刈り遅れで産麦の品質の低下を来さないようご指導をお願いします。 

1.作柄状況の把握について

① ほ場調査で、本年産麦の作柄状況を把握して下さい。ほ場段階で明らかに仕分け処理をする必要があるほ場については、事前に農家、集落代表者に連絡を取り、確実な仕分けを行って下さい。

② 仕分け基準を、ほ場調査担当者に徹底しておいて下さい。
注:カラスノエンドウ・ヤエムグラの種子が施設に搬入されると調製段階での選別が非常に難しいので、収穫期までに抜き取りをされるようご指導をお願いします。

2.適期刈り取りと品質低下防止について

① 収穫適期水分は、一般の麦が30%以下ビール大麦は25%以下です。

② 水分の高い麦をコンバインにより高速回転で収穫すると、損傷粒が発生して品質が低下し、また、品質事故の恐れもありますので、収穫時の水分、コンバインのこぎ胴の回転速度には十分注意されるようご指導をお願いします。

3.収穫麦は、速やかに施設へ搬入を

 麦の収穫期は、高温・多湿の気象条件の中での作業となり、長時間放置すると麦の呼吸作業による発熱、カビの着生による醗酵熱等により「ムレ」を起こし、異臭麦・熱損粒等が発生して著しく品質が劣化しますので、収穫麦はなるべく早く施設へ搬入し、収穫後4時間以内に乾燥作業に入り、可能な限り半乾作業は実施しないで仕上げ乾燥まで連続して行って下さい。

※異臭麦の原因:穀物に着生するカビ・バクテリアなどの微生物は、数百種類におよぶと言われており、異臭麦の事故は、これらのカビ・バクテリアが異常繁殖し、着色、不快臭、汚染などの変質をおこしたものです。

4.赤カビ病等の発生したほ場の麦は仕分けを

○ 荷受け前のチェックポイントは、❶発熱していないか ❷異臭はないか ❸穂発芽粒はないか ❹着色粒(赤カビ・黒カビに注意)はないか等です。  

○ 仕分けした麦を別処理するビン・施設等の対応策を決めておく必要があります。  

○ 県病害虫防除所の発生予報第2号では、赤カビ病の発生時期は早く、発生量は平年並と発表されております。今後の降雨状況で多発が予想される場合には、追加防除等を行うようご指    導を願い、仮に施設に入った場合には、良麦が汚染しても農業倉庫基金の補償対象にはなりませんので、くれぐれも気をつけて下さい。

県下各共同乾燥調製施設の巡回調査実施について(お願い)

 令和3年産大麦・ビール麦の収穫が始まっており、荷受け等で大変お忙しいことと存じますが、本年度も例年と同様に麦類の施設搬入時の巡回を各関係機関協力のもと、大麦・ビール麦対象に6月上旬に、また小麦対象に6月中旬~下旬にかけて実施するよう計画をしておりますので、各施設のオペレーターの方々には荷受け等で大変お忙しいとは存じますが、巡回時にご協力をよろしくお願いします。
(日程決定次第各JA・施設へ連絡します。)